2歳以上マスク推奨騒動に思うこと

政府のコロナ分科会が「2歳以上のマスク着用」を推奨すると言い出して大騒動になりましたね…。結局、年齢を明示せず「マスクの着用が無理なく可能と判断される児童」について「可能な範囲でマスク着用を推奨する」との内容にとどまったみたいですが…

政治家が何人も集まって話し合って、なんでこうなる?!

不思議で不思議で仕方がない。2歳児がマスクをおとなしくつけられるとでも思っているのもおかしいし、マスク着用が困難な状態にある人がたくさんいること、まさかまだ知らないの?!という謎。

魔の2歳児「イヤイヤ期」

2歳前後になり自己主張できるようになることで始まるのが「イヤイヤ期」。自我が芽生え、子どもはなんでも自分でやりたがるようになります。でも上手にできないし、言葉でも上手に伝えられないし、とにかく何に対しても「イヤイヤ!」と主張してきます。服着るのもイヤ!ごはん食べるのもイヤ!おもちゃを片付けるのもイヤ!おむつを替えるのもイヤ!とにかく全てに全力で「イヤ!」(笑)

日本では、「イヤイヤ期」や「魔の2歳児」と言うのと同じように、英語でも「terrible twos(恐ろしい2歳児)」と言います。つまり、この2歳児のイヤイヤ期は万国共通なんですよね。

そんな2歳児に、マスクを着けろと?!おむつも抵抗するのに?服も着てくれないのに?靴下ももぎとっちゃうのに?賢いはずの政治家の人たちがたくさん集まって、なぜそんな意見が通ったのか不思議で仕方がありません。

と思っていたら、影響力のある方がすぐにツイートしてくれていました。

それが普通の感覚やんな…。ひと安心。だけど、このバカげた案が通らないようにしないと!

マスクをつけられない人たちがいます

コロナ分科会が2歳以上のマスク着用を推奨するというニュースを見た瞬間、血の気が引きました。

我が家の繊細ボーイ、ほっしゃんは4歳ですが、マスク出来ません。何度も何度も何度も何度もマスクに挑戦してみましたが、できませんでした。

ママ友たちに、「絶対しなあかん!ってもっと強く言ったらいいんちゃう?」とか、「マスクしな、〇〇いけないよ!って言ったらいいんちゃう?」とか、悪気なく言われてきました。そんなんで出来るなら、させてます。ほっしゃんにコロナにかかってほしくないって、誰よりも思っているのは私なんですから。

ほっしゃんがマスクをつけられない理由は、「感覚過敏」だと理解しています。

感覚過敏というのは、五感から受け取る感覚を過剰に感じ取ってしまい、激しい苦痛を伴って不快に感じてしまう状態です。何を過剰に感じ取ってしまうかは人によって違いますが、ほっしゃんの場合は、以下のようなものがあります。

  • 大きめの音が苦手。
  • 太陽の光が異常にまぶしく感じてしまい、「まぶしい!!」と泣き叫ぶ。
  • セーターやジャンバー・水着など、特定の服や素材の感触が耐えられず、着れない。
  • 味や舌触りなど敏感に感じ、決まったものしか食べられない超偏食!
  • 髪の毛を切ることが痛くて痛くてたまらず、髪を切れない。
  • 匂いにも敏感で、すぐ「くさいっ!!!!」と言う。

感覚過敏の子どもがマスクをできない理由は、「ゴムの締め付けが苦しい」「マスクの臭い」「布の感触」「鼻に物がかぶさり窒息する感じ」などなど、これに限らず、様々でしょう。そういった理由で、マスクをすることが、本当に激しい苦痛を伴う不快感をもたらすのです。

今では、多くの遊び場が、4歳児にはマスク着用を義務付けています。だから、ほっしゃんは、マスクをできないことが理由で、これまで何度も「行きたい場所」を諦めてきました。めちゃくちゃ楽しそうな遊び場を目の前にして、でも断られ、号泣しながら「マスク嫌だ~」とその場を去ってきました。

「マスクってちょっと不快だよね」というレベルなら、あんなに楽しい遊び場を目の前に、号泣しながら諦めるわけがないのです。「マスク着用」には、「楽しい遊び場を諦めること」に勝る苦痛や不快さがあるから、諦めるのです。

厚労省のHPにも、NHKのテレビ番組でも、このことは取り上げられているのに、「2歳以上はマスク推奨」なんて、そんなたった2歳という年齢で一律にルール化するなんて信じられない案です。

マスクをつけられない人が全員感覚過敏ではありません。他にもいろいろな理由があるそうです。もし周りでマスクをしていない人がいたら、すぐに非難するのではなく、少し想像してほしいと思います。マスクをつけたくてもつけれない人たちが、もうこれ以上肩身の狭い思いをしなくていいように。

一番知ってほしいこと「マスクを着けている=苦しみがない」ではない

もしほっしゃんの園で、先生が全児童に、「明日からマスクを着けないといけません。かくかくしかじか…」と伝えたら、ほっしゃんは、ひょっとしたらひょっとしたら着けれるかもしれません。(それでも着けれないと思いますが…)

その時に、「ほら、着けれたやん。ちゃんと説明したら伝わるやん。ちゃんとルール化したら、出来るやん」と理解しないでほしいのです。

真面目なほっしゃんには、「先生の指示を聞く」以外に選択肢はないのです。多少の不快感はあってもそれほど苦痛を感じずにマスクをしているわけではないのです。激しい苦痛を伴うような苦しみを感じながらつけているのです。そんな苦しみを背負わせたら、きっと普通にできることもできなくなっていくでしょう。

特性のある子達が、「〇〇が苦しいです!」と言わなくても、一見みんなと同じようにふるまっていても、実はすごくすごく苦しんでいたり、エネルギーを消耗しているかもしれないと想像してもらえたらと願ってやみません。

最後に、たった一回だけ奇跡的にマスクを着けれて、とてもとても嬉しそうなほっしゃんです。
誰よりも、自分が一番マスクを着けれるようになりたかったんだな…とわかった時でした。

コメント

  1. 名前はあかせません。 より:

    泣ける。泣けるよ。
    よくよく伝わるよ。園長先生にこの文章を提出してみては??
    子供はお友達となら出来ますよとか言われたら、出来る出来ないの話じゃないこと伝えるのも大切やんな。

    おじいちゃんによる、おじいちゃんのための政治をしてる政治家さん達やしなぁ。高齢者リスクあるんやしおじいちゃん達こそ、早く引退してお家におりやって話やで。

    • 心理士ママ Wawa より:

      ほんとにそこ。出来る出来ないではない。特性ある子が不登校になったりした時も、実はすごい無理をしているのかもしれないと、周りの大人が思いを馳せることが大事なのと同じやと思うわ。

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