お友達に良くない行動を繰り返す子どもに親が取るべき対応

ほっしゃんは年中、てんちゃんは年少になりました~。早いな~。ほんとに一瞬で巣立っていってしまうんだろうなぁ。

さてさて、数ヶ月前のこと。てんちゃんが2歳児クラスの時の話です。

保育園にお迎えに行った時に、先生が寄ってこられました。
てんちゃんが、お友達がブロックで作ったものをがっしゃーんと壊したらしい。しかもその日一回だけのことではなく、日は違えど、何回かあった様子。

先生は、全く責める感じはなく、とても優しい口調で色々お話してくださいました(が、何言われたかほぼ忘れました。す、すみません。なぜ忘れたか…。以下に続く、最後の話に気持ちがひっかかってしまったからです。)

子どもが悪い行動をしたとき、「それは悪いこと!」と叱るべき?

私が鮮明に覚えているのは以下の部分。

先生「おうちでもそういうことありますか?」
私「ありますあります~。ほっしゃんが作ったものを、てんちゃんが一撃で壊すことありますよ。まぁ注意したりもするんですけど、でもてんちゃんなりに何か理由があるんだろうな~と思って見てますけど。まだ3歳なったばっかりで、その辺の未熟さはあるだろうから、あまり叱るというよりは、ほっしゃんが何か一生懸命作ってる時は、てんちゃんがそっちに近寄りたくならないように、他の楽しいもの出してそっちに気を引いている感じですかね~」

そしたら先生仰いました。「でも、悪いことは悪いことってしっかり教えないと保育園では叱られるのに、家では叱られないってなったら、子どもは混乱するので、それはしてはいけない行動だということは家でもしっかり伝えてくださいね。

「…はいーわかりましたー」

なんか腑に落ちずもやもやしながらの帰宅となりました。

『悪い行動は悪い行動だと毅然と教えましょう(つまり叱りましょう)』

すっごいもっともらしい意見だけど、そうなんだろうか…。

相反する「子どもを受け止めること」と「悪い行動だと叱ること」

ほっしゃんが通う療育(仮名:ヒーロー)では、『子どもの気持ちを受け止める』ということがいかに大切かということを教えてもらってきました。それに当てはめると、なんか保育園の先生に言われたことがしっくりこない。

そりゃよくないよ。人が作ったブロック作品壊したら。でも、そんな毅然と「それはしたらだめだよ!」って教えないといけないんだろうか。3歳なりたてのてんちゃんに。でも保育園の先生の言ってることもそんなおかしなことじゃない。「悪い行動は悪い行動って教えないとだめ」ってもっともにも聞こえる。どうするのが正解なんかな…。ただ…やっぱり腑に落ちない。

その日、てんちゃんがお友達が作ったものをなんで壊してしまったのかはわからないけれど、てんちゃんなりに理由があったんだろう。なんかその前に嫌なことがあったんかもしれんし、なんか壊したら楽しそうやったんかもしれん。とにかく理不尽であったとしても、なんかてんちゃんなりの理由があるんやろう。そのてんちゃんの気持ちを受け止めてやるだけではだめなんかな?それじゃ結局何も学ばなくて、善悪をつけられない子どもになってしまうんかな…?

でも私の中でやっぱり腑に落ちないのは…
友達のブロックを壊してしまったてんちゃんなりの理由や気持ちを聞いて、「そっか~壊す前に、そんな嫌なことがあったんやな」とか、「そっか~。壊したらなんか楽しそう♪って思ってやってみたかったんやな」って受け止めた後に、「でも、それはしてはいけない行動よ!今後からは絶対したらだめよ!」って強く教えたら、結局まったく気持ちを受け止めてないことにならない…?私がてんちゃんなら、受け止めてもらったことなんて心に残らなくて、だめだしされたことしか心に残らない。

じゃあどうしたらいいんやろう…。今度ヒーローで聞いてみよう。

ということが数ヶ月前にあったわけです。

そして先日やっとヒーローの先生とゆっくり話せるときがあり、どうすることが正しかったのか聞きました。

子どもの行動には、子どもなりの理由がある

ヒーローの先生「叱って教えなくて大丈夫子どもが人のブロックを壊した時には、ぜっっっっっったいに理由がある。その理由を聞いてあげて。そっかーーーーそれで壊したかったんやな。それで十分。その後に叱ったり、ましてや、保育園で一度注意されてるのに、家に帰ってもう一回そのこと注意するとか、そんなことは絶対にしないでね。

先生、さらにこう仰いました。
「可能ならば、他の子が壊されて嫌な思いをしないで済むように、壊さないしかけ作りを周りの大人がしてあげること。大人がしっかりしかけを作っていても、それでも壊してしまった時は、親がその子に謝ってあげてください。子どもに、”謝りなさい!”とか強制しなくていいよ。壊してしまった理由・気持ちをしっかり聞いて、しっかり受け止めてあげる。絶対に絶対に子どもには理由があるから。

私「やっぱりそれでいいんですよね。それで”人の作ったものを壊してはいけない”っていうことを永遠に知らない子になってしまうってことはないんですか?」

先生「そんなことは絶対にありません。たくさんたくさん自分の思いを受け止めてもらえて、気持ちを大切にしてもらえた子は、必ず、周りの人の気持ちを大切にしたいと思うようになります。

なんかね、ヒーローの先生たちを見ているといつも感じます。絶対にゆるがない信念がそこにはある。そしてもう一つ言うならば、ヒーローの先生から見える揺るがない自信。

「子どもを信じてください」

また!弟が、兄のアイロンビーズを壊した!

そんな話を聞いた日から3日後の今日。保育園から帰宅したほっしゃんがアイロンビーズではりねずみを作っていました。「マミー手伝って―」と言われたので、少し手伝い、あとはほっしゃんで出来るかなというところで隣の部屋へ行きました(ほっしゃんの姿は見えています)。そしたら…

ほっしゃん「てんちゃん!!!!!!!!もうーーー!!!!!!!なんでーーー!!!!!」

てんちゃんがほっしゃんが一生懸命作っているはりねずみを蹴飛ばしてバラバラになったらしい。

私「どうしたん?」
ほっしゃん「(ギャン泣きしながら)てんちゃんが壊した!!!前も壊して2回目や!!」
てんちゃん「(気まずそうな顔をして)見えなかった…」←ちなみに絶対見えてます。ずっとほっしゃんがやってるの近くで見てたから。

私「(穏やかに)てんちゃんなんで壊したん?
てん「見えなかった…」
私「てんちゃん、見えてたやんなぁ?なんで壊したん?」
てん「見えなかったから。ごめ~ん。」

時間をかけてやったものを一瞬で破壊され泣き崩れるほっしゃんの横で、「見えなかった~」というてんちゃん。なんか私も、そんなひどいことをするてんちゃんに腹立つの半分と、本気で怒ってる風にみせなあかんかなってよぎったの半分とで、「てんちゃん。なんでまた壊したん?!!!てんちゃんの大事なおもちゃこわされたらどう思う?壊されてもいいの?!!」って声を大きくして言いました。

てん「(壊されたら)いやや~。見えなかったから。ごめん。」

その場はとりあえず落ち着きましたが、なんでてんちゃんいつも壊すんやろ…と私ひとりため息が出ました。で、その瞬間、「あー…私保育園の先生が言ったことそのまましてるだけやん・・・」と気付きました。理由を聞いてるつもりでいたけれど、全然聞いてない。まだ3歳やん。理由なんか、ちゃんと自分で説明できひんやん。適当に理由聞いて、受け止めもせず、怒ってしまった。

もっかいやり直そう。

子どもをしっかり見て、想像して、心の声を聴くということ

てんちゃんのところに戻り、てんちゃんの横に座り、穏やかに聞きました。

私「てんちゃん、ひょっとして、てんちゃんもはりねずみ作りたかったん?

そしたらてんちゃん。急にぶわーーーーっと泣きだして、「そうなん。てんちゃんも作りたかった~。るっちゃんにも、てんちゃんも作りたいって言ってたのに聞いてもらえなかったー」と大号泣に嗚咽しながら言いました。

そういえば、今日の夕方、13歳の姉るっちゃんとほっしゃんが、アイロンビーズをしている近くにてんちゃんがいました。きっとその時、てんちゃんがるっちゃんに「僕も作りたい」っていったけど、ふたりとも自分のに集中してて聞いてもらえなかったんだと思います。その気持ちを我慢してたんや…。我慢したまま、夜を迎えて、また私がほっしゃんのはりねずみを作っているのを見たんですよね。自分はまだ小さくてひとりで作れない。でも誰も自分の手伝ってくれない。だから、悔しくて壊したんや…。

涙が堰を切ったように流れ出し、嗚咽しながら説明するてんちゃんを見て、十分伝わってきました。ずっと自分もアイロンビーズ作ってほしくて、ずっと悔しかったの我慢してたんやなって。

私「てんちゃんもはりねずみ作ってほしかったんやな。そうやんなそうやんな。てんちゃんごめんな。るっちゃんにも何か作ってほしかったんやな。だけど作ってもらえなくて、ずっと我慢してたんやな。それで、またほっしゃんがはりねずみ作ってるのみて、くやしくなってこわしちゃっただけやったんやな。」

てんちゃん、私の腕の中で、嗚咽しながら、「うん、うん」って言って泣いてます。
嗚咽しながら「てんちゃんも作りたかった」って。

私「そっかそっか、てんちゃん知らなくてごめんな。マミーと一緒にはりねずみつくろっか。なんでもいいよ。てんちゃんの好きなものつくろ。」
てん「(まだ号泣しながら)ハリネズミつくりたい。やっぱりトラつくりたい。」
私「わかったわかった。てんちゃん、そういう気持ちいつでもマミーに言っていいんやで。僕だって作りたい!とか。僕のがないからくやしい!とか言っていいんやで」
てん「(号泣しながら)うん、うん。てんちゃん、トラとナマケモノ作りたい」
私「わかった。てんちゃんだって欲しかったんやんな。じゃ、ほっしゃんにはマミーから謝っといたげるからな。」
てん「(嗚咽)うん。マミーが謝ってほしい」

このやりとりを真横で聞いてたほっしゃん。もうてんちゃんへの怒りはなくなっていました。優しいほっしゃん。

この時点でもうベッドの時間になっていたから、内心、今からトラとなまけものは勘弁…って思ってたけど、もう今さら明日にしよとは言えない。

私「じゃ、てんちゃん。寝る時間やから、トラだけつくろっか。全部は無理かもしれんし、ちょっとだけになってしまうかもしれんけど、一緒につくろう。」
てん「じゃ、マミー。もう寝る時間やから、歯磨きもしなあかんし、今日はこんなこんな小さくていいよ。」

優しい。そうやんな。優しくされたらこんなに優しくしてくれるんやんな。しかもその後の歯磨きタイム。歯磨きが大っ嫌いなてんちゃん。毎日、絶対にほっしゃんに先に仕上げ磨きをしてほしくて、自分は絶対先にしないのに、「今日はてんちゃんが先に歯磨きしてあげるな」って私の膝に寝ころんできました。こんなこと絶対になかったのに。

末っ子で、且つ、ぎゃんぎゃん泣かないてんちゃんだから、いろんな気持ちをしっかり聞かずにきてしまっています。ちゃんと見て、ちゃんと想像して、ちゃんと耳を傾けたら、こんなにたくさんてんちゃんの気持ちを教えてくれるんや。最初、私が適当に聞いた時は、「見えなかった」しか言わなかった。きっと、なんて言ったらいいかわからなくて、そういうしかなかったんやんね。

ヒーローから学んだ子育てで大切なふたつの極意

またまたヒーローに救われました。
子育てなんて、どんなやり方が正解か正直わからない。でも私は、このやり方を信じてやっていきたいなと改めて思いました。

私がヒーローに教えてもらったこと。

「子どもの気持ちを受け止める」ということ。

そしてもうひとつは、「子どもを信じ切る」ということ。

それは、いくつか意味があって、「子どもは必ず成長すると信じる」こと。○○ができないけどどうしよう…って色々思うけど、子どもには子どものタイミングがあって、少しずつ成長していくと信じること。

そして今回学んだこと。「子どもが何かよくない行動をしたときも、子どもには絶対に理由があるって信じる」こと。信じきること。絶対に理由があって、それが大人からみたらどんな理不尽な理由に聞こえたとしても、「子どもの気持ちを受け止める」ということ。

今日はこんなことがあったからか、寝貸し付けのとき、いつもよりもさらに2人に伝えました。「ほんまに大好き。うまれてきてくれてありがとう。」って。
そしたらほっしゃんから初めて返事が返ってきた。「マミーそんな風に言ってくれてありがとう」
泣けた。あ~よく泣けるアラフォー育児。

コメント

  1. といとい より:

    ずーーーーん!!どーーーーん。
    みたいな内容やな。
    これさ保育園の先生聞いたらどう思うんやろなぁ。

    • 心理士ママ Wawa より:

      どうなんやろうなぁ。園は園で、愛情もってよくみてくれたはるなって思ってるんやけどね。

  2. といとい より:

    何回読んでも心に響きまくり、自分の子育てに後悔の文字が浮かび上がるわ。
    7歳と5歳になってしまったけど、もう一度がんばってみます。

    • 心理士ママ Wawa より:

      ヒーローの先生のこれまた名言。「子育てはいつからでもやり直せます。っていうか、いつからでもやり直さないとあかんと思てます。」

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